昨季の世界一球団に一体何が? 上原&田澤らの活躍で連敗を「10」で止めたレッドソックスの巻き返しはなるか
チーム内に聞こえ始めている不協和音
不協和音も聞こえ始めていた。
地元紙ボストン・ヘラルドは24日に衝撃的な記事を掲載した。タイトルは「A・J・ピアジンスキーの“ゴタゴタ”が苦悩の象徴」。当然、不調の原因は多くあるが、新加入のベテラン捕手がチーム内に不協和音を生んでいることが特に大きいというのだ。
ピアジンスキーはMLBの選手間投票で「最も嫌いな選手」に選ばれるなど、何かと問題が多い選手。昨年はレンジャーズに所属していたが、9月にはダルビッシュ有投手とマウンド上で言い争いを繰り広げたこともあった。同紙が問題点として指摘したのは、攻守両面でミスをしてもピアジンスキーが自分の非を認めないことだ。投手陣だけでなく野手も同選手に不信感を抱いており、クラブハウスの雰囲気が悪くなっているというのだ。
象徴的な出来事として挙げられたのは、8連敗目を喫した23日のレイズ戦のある場面だ。両チームともスコアレスで迎えた9回、ピアジンスキーは先頭打者としてヒットを放った。続くシェーン・ビクトリーがバントで三塁線へ絶妙なゴロを転がしたものの、三塁手のエバン・ロンゴリアは二塁に送球し、ピアジンスキーは滑り込まずにアウトになった。チャンスを広げられず、得点できなかったことが響き、直後にサヨナラ負けとなった。
試合後、レッドソックスのジョン・ファレル監督は憮然とした表情で「なぜ彼がスライディングしなかったのか分からない」と話したという。それだけ微妙な場面だった。ただ、ピアジンスキーの言い分は違った。
「ビック(ビクトリーノ)はいいバントをした。でも完璧ではなかった。スライディングをしてもしなくても、どちらにしてもアウトだった。誰が何と言おうとね」
チームプレーにおいて、この傲慢な発言は確かに危険だ。昨年は、キャンプから多くの選手が髭を蓄えたことがチーム団結の象徴となるなど、最高の雰囲気が快進撃を生んだ。ピアジンスキーの言動が亀裂を生んでいると批判されたことは、昨年と今年のチーム状態に大きなギャップがあることの表れだろう。