田中将大の右肘に負担をかけたのはスプリットの多投!? 米メディアは「エルボーキラー」の割合の多さを指摘
今季、メジャーで最も多くのスプリットを投じた田中
ヤンキースの田中将大投手が、右肘の靱帯部分断裂で復帰までに最低でも6週間のリハビリを要すると発表された。保存療法の効果が出なければ、靱帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)に踏み切るとも考えられており、1年以上の長期離脱となる可能性も残されている。
瞬く間に名門球団のエースに上り詰めた田中の肘に負担をかけたものは、いったい何だったのか。日本時代からの登板過多、中4日での登板、日本よりも重いメジャー公式球など、様々な理由が考えられるが、複数の米メディアが大きな原因の1つとして取り上げているのが、スプリットの多投だ。
ホームベースの手前で急激に落ちる田中の”宝刀”はメジャー屈指の決め球としてその名を知らしめたが、手首を固定しながら投げるために前腕部や肘に多くの負担がかかる球種としても有名。しかも、田中のスプリットは90マイル(約145キロ)付近まで達するほど高速だ。
ESPNのスタッツ&インフォの報告によると、田中は今季メジャー最多となる477球のスプリットを投じていた。これは7月10日時点の数字だが、メジャーで2番目に多く投げている同僚の黒田博樹投手の396球よりも81球も多かったという。
また、全米スポーツのデータ分析サイト「ファングラフ」によると、田中の全投球におけるスプリットの割合は実に25%で、これも1位。2位の黒田は22・9%。3位のドジャースのダン・ハーレンは16%で、田中のスプリットの多投は際立っていた。これが、肘の故障の一因となったという指摘も出ている。結果を残しているうちは絶賛を浴びていたはずの決め球が、悲劇を呼び起こしたとして一転して非難される形となってしまっているのだ。