ダルビッシュの恩師はこんなにも熱い人 大敗の日に選手に説いた「責務」がレンジャーズの巻き返しにつながるか

ワシントン監督は、勝利に向けて全力を注ぐ

 レンジャーズのワシントン監督は、ひと言で言えば「熱い心を持つ人」だ。勝利に向けて全力を注ぐ。監督になった今でも、試合前の練習ではノックもするし、打撃投手も務める。それだけではない。全体練習前には、若手内野手を相手に守備の基礎を徹底的に教え込む。

 テキサスの刺すような日差しの下で、何十分にもわたり、捕球に向かう最初の一歩の踏み出し方、どういう角度でボールに向かうべきか、捕球してから送球までのハンドリングなど、その指導のきめ細やかさを見たら、日本の少年野球の指導者も驚くほどだろう。

 ちなみに、監督はこの早出練習を選手に強制してはいない。内野守備コーチとしてミゲル・テハダやエリック・チャベスらゴールドグラブ賞受賞者を育ててきた人物だけに、その経歴を知る選手たちの方から教えを乞う場合がほとんど。監督もまた、努力する人物には協力を惜しまない。全力でプレーしながら結果が伴わない選手がいても、その選手を責めることはない。

 そんな監督でも、時折チームに活を入れることがある。

 昨年は7月28日のことだった。遠征先クリーブランドでインディアンスに3連敗した後、30分以上にわたるミーティングを開いたことがある。そして今年は7月10日、エンゼルスに6-15と大敗した試合の後だった。滅多にチームミーティングを開くことのない監督だが、この時は「正しいプレーをすることの大切さと責務」について、30分あまり熱く語りかけたという。ミーティングを開いた翌日、その内容について監督はこう明かしている。

「選手はみんな努力はしている。努力をしてはいるが、責務を果たしていない。努力とは、一生懸命にプレーすること。そして、責務とは、成績を気にせずに勝つことだけを目標に、正しいプレーをすることだ」

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