ダルビッシュの恩師はこんなにも熱い人 大敗の日に選手に説いた「責務」がレンジャーズの巻き返しにつながるか
選手1人1人が監督の言葉をどう受け止め、反映するか
一夜明けた監督会見の場では、熱がこもった口調ながら笑みを浮かべながら話していた監督だが、複数のチーム関係者によれば、ミーティングの席では放送禁止用語を交えながら、普段の姿からは想像できない様子でまくし立てたそうだ。
一歩間違えれば、監督の熱意だけが空回りすることになりそうだが、どうやらその心配はいらなそうだ。「あのスピーチを聞かなければいけなかった選手はたくさんいると思うよ」と話すのは、リーグ優勝を2度経験しているアンドルスだ。
「ウォッシュ(ワシントン監督の呼び名)が話したことは、全部正しいこと。ウォッシュの口から、あの言葉を聞くべき若手がたくさんいる。ウォッシュはどれだけクールな人物か知る必要もあるけど、自分の仕事を果たす道を自らの力で切り拓かなければならないところまで来た。ミーティングでは、それを選手たちに伝えたかったんだと思う。監督の話をしっかり受け止め、それをプレーに反映していかないと」
結局、チームは8連敗でメジャー30球団で最低勝率4割で前半戦を終えた。戦力の浮き沈みが激しいメジャーだとはいえ、つい3年前はワールドシリーズに出場し、昨季まで地区首位を争っていたレンジャーズからは、想像もつかない現状だ。選手1人1人が監督の言葉をどうに受け止め、どうに反映するか。すべては後半戦の戦い方にかかっている。
【了】
佐藤直子●文 text by Naoko Sato
群馬県出身。横浜国立大学教育学部卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2004年にフリーとなり渡米。以来、メジャーリーグを中心に取材活動を続ける。2006年から日刊スポーツ通信員。その他、趣味がこうじてプロレス関連の翻訳にも携わる。翻訳書に「リック・フレアー自伝 トゥー・ビー・ザ・マン」、「ストーンコールド・トゥルース」(ともにエンターブレイン)などがある。