大谷級の逸材が岩手にまた一人 盛岡大付の松本裕樹は今夏の主役になれるか
スカウトの中では大谷以上の声も
甲子園では去年の春にリリーフで登板経験はあるが、夏はまだマウンドに立てていない。直球にカーブ、スライダー、チェンジアップを器用に駆使する投手。大谷は高校3年生の時に球場表示で160キロをマークするなど、同じ岩手県で注目された。今回の松本は大谷ほどの球速はないが、コントロールの良さや変化球の精度など、スカウトの中では当時の大谷以上という声も上がっている。
横浜の瀬谷ボーイズ出身。甲子園に出場するために東北・岩手の地を選んだ。越境入学には様々な見方があるが、自分で選んだ道を進み、鍛錬し、東北ナンバーワン投手の称号を得られるまでに成長したことは高く評価をされてもいい。松本自身、ただ甲子園に出たいから岩手の高校を選んだわけでなく、親元を離れ、野球だけに打ち込める環境を作るために盛岡の地を選んだのだった。
プロ野球では今年、大谷が二刀流で好成績を残している。批判的な意見の多かった二刀流の道筋を示している。前例があれば怖いものはない。今年のドラフトで大谷に続く二刀流を容認し、松本を育成する球団も出てくるかもしれない。
球界のスターとなれるか否か。それにはやはり、夏の甲子園に出場できるかどうかもカギとなる。松本は2年生の夏だった昨年の今日、大谷の母校でもある花巻東に6回途中5失点で敗れている。その悔しさを忘れたことはない。因縁の相手に1年前のリベンジを果たせるか。集大成の夏へ、松本が大一番に挑む。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count