高校野球を彩ってきた3人の名指導者 それぞれが迎える最後の夏

松坂や涌井も信頼する横浜高校の小倉コーチ

 決勝を前に敗れたのは神奈川の名門、横浜高校。監督を務めた時もあったが、主に参謀役、コーチとして20年以上、指導してきた小倉清一郎コーチ(70)も退任する。メッツの松坂大輔やロッテの涌井秀章らも信頼を置くコーチである。

 横浜は東海大相模に準決勝で3-5で敗北。選手たちは小倉コーチを甲子園に連れて行くと意気込んだが、叶わなかった。「春と夏、神奈川で今年、優勝してしまったから慢心が少しあったのかもしれない。神奈川を勝つのは難しいってことだ」と小倉コーチ。8月いっぱいで同校を離れ、各地方の高校で野球部の臨時コーチなどをして、全国をまわるという。

 70歳の体に鞭を打って、相手高校のデータ収集に余念がない。その取ってきたデータや野球観が渡辺元智監督の采配と絡むと、驚異的な力を発揮する。1998年は春夏の甲子園を連覇。最強のチームを作った。

 厳しさを前面に押し出して、選手を鍛えてきた。野球理論に関しては高校野球界で右に出る者はいなかった。そんな名指導者の横浜高校でのラストサマーが終わった。

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