今夏期待の「最速男」152キロ右腕がいよいよ甲子園デビュー 大分・佐野皓大投手の魅力とは

今大会は「155キロを目指したい」!?

 11日に開幕した夏の甲子園。今大会で最も速いボールを投げると注目されているのが、初出場の大分高校の3年生投手・佐野皓大である。

 152キロを出したことがあり、最速150キロの岩手・盛岡大学付属の松本裕樹投手よりも球速表示は速い。

 大分県の大会では150キロ以下がほとんど。だが、それは球速を追い求めずに打者を打ち取ることを優先していたためだった。自分の欲求は甲子園出場が決まるまで抑え込んでいた。甲子園大会の目標は球場最速数字の「155キロを目指したい」と言うが、本音半分、リップサービス半分といったところだろうか。

 佐野の魅力は球速だけではない。

 松本より体の線は細いが、コンパクトなフォームから伸びのある直球を投げ込む。力いっぱいに振りかぶって投げる150キロではなく、クイック気味のモーションから投げ込むというのが特徴だ。

 地方大会にはプロ10球団近くのスカウトが視察に訪れた。ただ即戦力ではなく、将来性という観点からの視線がほとんど。打者として評価する球団もあるほど、センスを持ち合わせている選手である。

 佐野は研究熱心な投手で、「いろんなプロの方の投球フォームを見て、勉強してきました」と話す。テンポよく、素早い動作、小さなテイクバックで投げるフォームを身につけた。

 このようなフォームの投手はとても実戦向きとされる。クイック気味に投げることで、走者を出した時と出していない時の球速差がそれほど表れない。フォームをコンパクトにしているため、コントロールの乱れも大きくない。結果的に上半身と下半身のパワーがバランスよく発揮できるようになり、ボールのスピードも上がった。

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