九州国際大付が誇る強力打線 プロも注目する恐怖の3、4番コンビ
指揮官からも絶大なる信頼を得る不動の4番清水
一方、清水は安藤との1年バッテリーで、入学直後の春季九州大会の初戦・伊万里農林戦でデビューを飾った。4番に座った清水は、初回1死一、二塁で目にも留まらぬライナー性三塁強襲同点打をはなった。若生正廣監督の期待に対する回答だった。
「背中でひっぱるだけで十分」。恩師は、清水の素質に絶大なる信頼を置いて、不動の4番・捕手として起用し続ける。新チームになると、主将の重責も担うようになった。清水自身も、順調に成長した。高校通算35本塁打に、二塁までの送球は、1.80秒台。「ドラフト候補」のプレシャーにも、平常心のプレイスタイルはゆるぎなかった。
大会毎に優勝候補一番手のチームは、勝ちきれずにいた。2013年夏は屈辱の初戦敗退、「九州ナンバーワン打線」としてのぞんだ13年秋季九州大会では、伏兵・鎮西に延長14回の末、サヨナラ負けを喫した。
最上級生となった14年春も、福岡北部大会2回戦で姿を消した。それでも、清水は「夏に向けて、いつも通りの野球をするだけ」と辛抱し続けた。
ラストチャンスとなる今夏、初戦・西田川戦で、左中間へ深々と先制2点本塁打を打ち込み、チームを勢いづけた。チーム打撃に徹した福岡大会の「打の主役」は同僚の古澤に譲ったが、司令塔として4投手の継投を支えた。
14日にはいよいよ初戦を迎える。相手は東海大四。「監督を日本一に」。今夏勇退する若生監督に対し、感謝の念で一杯だ。その思いを甲子園でのプレーにぶつける。
(原稿提供:Baseball Nine)
濱中隆志●文 text by Takashi Hamanaka