甲子園で熱戦を繰り広げる猛者たち 歴史を塗り替える記録は生まれるか

チーム打率約5割! 滋賀代表・近江、チーム打率記録更新なるか

 個人記録だけでなく、チーム記録で注目したい数字がある。チーム打率だ。

 夏の甲子園でベスト4以上に残ったチームにおいて、そのチーム打率は2004年に全国制覇した駒大苫小牧の.448が最高だ。ここで今大会の出場校を見渡すと、各地方大会での“チーム打率4割超”が6校ある。驚異的な攻撃力で滋賀県大会を制した近江の.491(6試合)を筆頭に、聖光学院の.461(6試合)、鳴門の.449(5試合)と続く。

 このうち近江と聖光学院は失点も少なく、大会記録として“規定”となる「ベスト4以上」をクリアする可能性も十分。すでに初戦の神戸国際大付戦に2-1で勝利している。また、鳴門は徳島大会での失点がやや多く、記録達成のためにも無駄な失点を極力減らしたいところだ。

 もちろん、記録のためにプレーするチームや選手はない。同時に甲子園は全国大会であり、各エリアを勝ち抜いた実力校同士の対戦ばかり。強豪校が地方大会のように対戦相手を圧倒できるほど簡単な場所でもない。

 しかしながら、この舞台だからこそ能力を爆発させる選手が現れたり、一瞬の“なにか”によって試合展開ががらっと変わるのが甲子園だ。甲子園の醍醐味のひとつとして、また純粋に高校野球を楽しむひとつの要素として、こうした記録に注目してみるのもいいだろう。

(原稿提供:Baseball Nine)

水谷豊●文 text by Yutaka Mizutani

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