苦難を乗り越え、メジャーで好投を続ける和田毅の現地評価が急上昇 来季の先発ローテ入りの可能性も浮上
女房役が語る、和田がメジャーで通用している要因
今季メジャー初登板後、好投を続けているカブスの和田毅投手(33)が首脳陣や同僚の信頼を集め、来季の先発ローテーション入りを手中に収めようとしている。ESPNが「カブスのワダが2015年のローテーションに向けて投げ続ける」との見出しで報じている。
今季終了後に先発投手の補強に動く可能性があるカブスだが、特集では、すでに来季の先発ローテーションを担う投手は確定しているかもしれないと報じている。
1人は今季4勝1敗で防御率1・73と圧倒的な結果を残しているルーキー右腕、カイル・ヘンドリックス投手。もう1人は和田だ。「左腕ツヨシ ワダは後半戦の好調さで自らの立ち位置を確立している」と記事では分析している。
7月に念願のメジャー昇格を果たし、初マウンドを踏みしめた苦労人はここまで6試合に先発し、2勝1敗、防御率3・15と結果を出している。地元メディアも「優秀な右打ち打者をずらりと揃えたブリュワーズ戦での珠玉の投球を含む」と7回途中2失点で2勝目を挙げた13日の力投を称えている。
和田の活躍の理由を、女房役のジョン・ベーカー捕手は「(相手打者を仕留める)実行力。彼のピッチングの全てだ。狙ったところに投げ込むことができる。サインにあまり首を振らない。だから、自分がプレッシャーを引き受けて、彼はピッチングに集中できる」と語っている。
和田は2012年にソフトバンクからオリオールズに移籍。しかし、ほどなくして左肘の靭帯を痛め、トミー・ジョン手術に踏み切った。その後、リハビリ期間を経て昨年5月に復帰。マイナーで登板を重ねたものの、最後まで昇格を勝ち取れず、2年間メジャーデビューを果たせないという屈辱を味わった。
そして2013年オフにカブスとマイナー契約を交わしたが、今季開幕前のスプリングキャンプでも苦難に直面したという。まったくアウトを取れなかったのだ。
「速球のスピードが落ちていた。ファストボールで83から84マイル(約133~135キロ)。簡単に打たれていた。速球が92マイル(約148キロ)に達した時には、もっと速く見えた。腕を鍛えたんだと思う」
ベーカーはキャンプ時と現在のピッチングの違いをこう指摘。さらに成功の秘密は投球フォームにもあるとし、「ワインドアップの途中に一度止まる。そこで打者のタイミングを外している。でも、打者を幻惑しているだけではない。幻惑の要素に制球力が加わっている」と打者を打ち取れる要因を分析している。