雨のマウンドで見えた盛岡大付・松本裕樹の秘めたる可能性
悪コンディションの中でも力を発揮した松本の潜在能力の高さ
さらにこの日は第2試合(盛岡大付-東海大相模は第3試合)の途中から雨が降った。兵庫県内では大雨洪水警報が出されたほど。開始予定時刻の前に小雨になり、プレーボールがかかると思いきや、またも突然の豪雨で試合開始がさらに遅れ、40分ずれこんだ。気持ちの入れ方も難しかった。
阪神園芸の迅速なサポートでグラウンド整備されたものの、普段とは違う悪条件のマウンドとなり、雨で足場の悪い中でのピッチングだった。
それでも、松本はゲームを作った。逆に、コントロールが抜群であまり四球を出さない東海大相模のエース・青島凌也が手を滑らせて、捕手がとれないような投げミスを1球してしまったり、6回2アウトからカウントを悪くして四球を出し、そこから盛岡大付が逆転するなど、ほんの少しの差が勝負の分かれ目となった。
グラウンドが良好な状態で球児たちがプレーするのは理想だ。しかし、そういうイレギュラーな状況下でも力を発揮した松本裕樹。バットでも6回に流し打ちでレフト前ヒットを打ち、チャンスを作った。それが得点にも結び付くなど打撃の良さも見せ、投打で4-3の勝利に貢献した。
悪コンディションの試合では、普段は見えにくいポテンシャルが浮き彫りとなることもある。この日は彼の武器が投球のスピードだけではないことを十分に証明する一戦となった。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count