オリックスが18年ぶりリーグVへ正念場 優勝経験の少なさをどう補うか
1点を大事にする野球を貫く森脇監督
打撃陣も、リーグ2位のチーム打率.261、得点数もリーグ3位と糸井嘉男、ペーニャ、T-岡田の中軸は十分な迫力を持っている。その上で、飯田氏は森脇浩司監督の戦い方をこう指摘する。
「森脇監督の特徴が表れたのが8月31日の西武戦です。この日は2回までに西武が6点を奪い、オリックスは追う展開になりました。6-2で迎えた5回表、無死2塁で森脇監督は送りバントを選択したんです。試合の中盤で4点差、もちろん1死3塁になれば得点の可能性は高くなりますが、普通はあまり送りバントを選択する場面ではありません。
とにかく1点を取るために、戦い方を考えていく。森脇監督はそういう野球をやりますし、1点を大事にして、持ち前の投手力、守備力を生かした戦い方をしていきます。このイニングでオリックスは2点を取って2点差に迫りました。結果的に勝つことはできませんでしたが、序盤に大量失点を喫したものの、結果として1点差の敗戦。個人的にも、このような接戦に持ち込んでいく戦い方はいいと思います。
また正捕手に定着した伊藤光も、もともとインサイドワークに定評のあるキャッチャーでしたが、リード面での評価を高めています。もちろん、オリックス投手陣自体に力があるのでそこに助けられて成長している面もありますが、バッティングでもしぶといところを見せていますし、チームにとって貴重な存在になっています」
オリックスのチーム犠打は141で、1位・148の日本ハムに次いで2位だ。また48失策はリーグ最少であり、こつこつと得点を積み重ねながら、失点を防いでいくチーム哲学が垣間見える。