過去最高の勝利数更新に王手! メジャーで存在感を増し続ける日本投手陣
02年の最多記録62勝に並ぶ今年は日本人投手の躍進を象徴するシーズンに
今季のメジャーリーグで日本人投手の躍進を象徴する数字がある。62勝。日本人投手全員で積み重ねた白星の数だ。すでに2002年の最多記録に並んでおり、更新するのは時間の問題。史上初となる4投手の2桁勝利到達に続いて、記録が塗り替えられることになる。
現地時間11日時点での各投手の勝利数は、岩隈久志(マリナーズ)が14勝、田中将大(ヤンキース)が12勝、黒田博樹(ヤンキース)とダルビッシュ有(レンジャーズ)が10勝、上原浩治(レッドソックス)が6勝、和田毅(カブス)が4勝、松坂大輔(メッツ)と田澤純一(レッドソックス)が3勝となっている。
一方、2002年は野茂英雄(ドジャース)が16勝、石井一久(ドジャース)が14勝、大家友和(エクスポズ)が13勝、長谷川滋利(マリナーズ)が8勝、佐々木主浩(マリナーズ)と吉井理人(エクスポズ)が4勝、伊良部秀輝(レンジャーズ)が3勝だった。
2002年と今季の大きな違いは、やはり2桁勝利を挙げた投手が4人いることだろう。前述した通り、これは史上初。1999年、2002年、2013年の3人を上回る記録だ。岩隈は右手中指の負傷で1か月出遅れたものの、黒田、田中、ダルビッシュを含めた4人は、いずれも先発ローテーションの柱として計算され、開幕前のキャンプに合流。前半戦はチームの期待に応える活躍を見せた。
もっとも、田中は7月8日のインディアンス戦で右肘の靱帯を部分断裂。今季中の復帰を目指してリハビリ中だが、すでに2か月以上も戦列から離れている。さらに、ダルビッシュも右肘の炎症で8月に故障者リスト入りし、すでに今季は復帰しないことが決まった。
代わりに、後半戦に入ってからメジャーデビューを果たした和田が好投を続けているとはいえ、稼ぎ頭の2人が離脱していなければ、記録はとうに更新されていたことになる。それだけ、メジャーにおける日本人投手の存在感は大きくなっている。