低迷するヤンキースで数少ない光明? ベタンセスが「伝説の守護神」リベラを超える

ジーターも「リベラを見ているよう」と絶賛

 奪三振率は異常だ。今季奪った263アウト中、三振が132個。実に5割を超えている。

 今季限りで現役引退を表明しているデレク・ジーター主将は「彼は今年ずっと恐ろしいほど素晴らしかった。モー(リベラ)が96年終盤に毎試合2イニングを投げている姿を見ているようだった。デリンも同じことを成し遂げている。多くのイニングを投げ切っている。彼は三振を取れるから、走者がいてもピンチを切り抜けられるんだ」と絶賛している。

 ベタンセスは入団当初、先発投手として有望なプロスペクトと期待されたが、マイナーで芽が出なかった。しかし、リリーバーに転向してからその才能に光が宿り、今季はオールスターに選出されるほどまでに躍進した。

 今季のヤンキースはトラブルの連続だった。先発投手陣は故障者が続出し、ローテーションを守り続けたのは黒田博樹投手のみ。カルロス・ベルトラン外野手、ブライアン・マッキャン捕手らオフに大型補強を断行した打撃陣は投手陣の足を引っ張り続けた。得点数は17日時点で「581」となっており、ア・リーグ15球団の中でレットソックスと並んで最下位に沈んでいる。

 さらに、前半戦で12勝を稼ぎ、「タナカマニア」と呼ばれる熱狂的なファンを生み出した田中将大投手も、右肘じん帯部分断裂のリハビリからようやく復帰を遂げようとしているところだ。

 ピンストライプの名門にとって、最大の光明となったベタンセスが来季のヤンキース再建の軸と期待されている。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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