結果にこだわり続ける日本ハム・赤田将吾 数字では計れないその貢献度
周囲に愛されるプロ16年目の34歳
プロは「結果」がすべて――。日本ハムの赤田将吾はそれを心底、理解している。今季でプロ16年目の34歳。この世界では決して若くない。2014年シーズンは我慢の年だった。大きな故障はしなかったが、開幕から2軍生活が続いた。やっと“声”が掛かったのは9月16日。リーグ戦は佳境を迎えていた。
1軍登録されて即、スタメン出場した。その日の西武戦。「7番・レフト」で先発オーダーに名を連ねた。試合には負けた。打戦は左腕・菊池から始まった計5投手のリレーの前に零封された。その中、赤田は2安打を放った。
試合直前、報道陣に意気込みを聞かれ、「特にないですよ~。もう、そんな年でもないんで。結果を出すだけです」。人懐っこい笑顔で返していた。
翌17日にも先発した。1、2打席は西武の技巧派左腕・小石の前に空振り三振。無死一、三塁で迎えた6回の第3打席。マウンド上には2番手右腕の岩尾がいた。ここではセンターへ犠飛。三走の大谷がチーム4点目となるホームを踏んだ。
ホームランでもない。タイムリーヒットでもない。犠牲フライ。言わばこの場面では最低限の仕事。きっちり役目を果たした。だからこそ、その存在感は際立った。試合には5-0で勝利した。この1点がダメ押し点となった。
「それまで三振してましたからね。内心、ヤバイと思ってましたよ。あそこは何とか結果を出さなきゃいけなかった。翔平(大谷)は足が速い。それ以上に走塁が上手いんです。だからラクに打てました」。あくまでも控えめだった。
今季、日本ハムは前年に引き続いて積極的に若手を起用。世代交代の時期にある。その中で、ベテランの出場機会は自然と激減した。のびしろのある若い選手とは当然、立場が違う。与えられるチャンスは少ない。それでも愚痴1つ言わない。グラウンドを離れれば、明るく社交的。選手、報道陣を問わず、ファンは多い。ただ、機を見るに敏。訪れた好機は逃さない。