地元メディアの反発を招いたダルビッシュのある発言 騒動の裏にあった“切れ者GM”の判断ミス
タイミングが悪かったダルビッシュの発言
ア・リーグ西地区の最下位に沈んでいたチーム状況、そして小さな怪我や違和感を無視してプレーし続けることの危険性といった状況を冷静に考えてみれば、ダルビッシュの発言は決して非難されるべきものではない。
優勝争いから脱落したチームが、シーズン終盤はベテラン選手を中心とするレギュラー陣に休みを与え、若手選手を多く起用することはよくあることだし、少しでも自分の体に不安を抱える選手にプレーを無理強いさせることは大怪我につながる可能性が高まるため、懸命な判断とは言えない。
それでも、「負け試合が続く中でも文句を言わずにプレーし続けるチームメイトを見捨てた」とか「なぜ自分で今季中の復帰は意味がないと決めるのか」という批判を受けたのは、すべては発言のタイミングの悪さだろう。
前日にDL入りが発表された際、ダニエルズGMは今季復帰の可能性について、踏み込んだ発言はしていなかった。また、ダルビッシュが会見を開いた翌日、当時のワシントン監督はDLが明ける最短期間15日後の復帰を期待する趣旨の発言をしている。
ダルビッシュの言うことは至極真っ当ではあるが、首脳陣と方向性を統一させる前に、少なくともGMが同様の趣旨の発言をする前に、言ってしまったことが悪かった。