メジャーで高騰する報酬は“適正額”か? 田中将大は年俸総額歴代20位にランクイン

Aロッドは不良債権?

 ただ、今となっては、全盛期から禁止薬物を使用していた可能性が高いと見られている。当時の活躍はまさにスーパースターと呼ぶにふさわしいもので、将来の野球殿堂入りも確実と見られていたが、その経歴は疑惑に満ちたものとなった。近年は急激に成績を落としており、今季は薬物規定違反で全162試合出場停止。2500万ドル(約29億円)の年俸は受け取っていない。完全に不良債権となってしまった問題児は、契約満了までの残り3年で復活する可能性も低いだろう。

 5位タイにはアルバート・プホルス内野手、ロビンソン・カノ内野手が並んでいる。

 プホルスは2011年オフにカージナルスからFAとなり、10年総額2億4000万ドル(約283億円)でエンゼルスと契約した。デビューから10年連続で打率3割、30本塁打、100打点と驚異の記録を打ち立てた男は、最強打者の名をほしいままにした。

 ただ、移籍初年度はシーズン序盤に不調にあえぐなど、打率は2割8分5厘止まり。そして、昨年は負傷で99試合の出場にとどまった。今季は復活してエンゼルスの地区制覇に大きく貢献したものの、打率2割7分2厘、28本塁打、105打点の成績は、全盛期と比べると見劣りする。現在34歳だが、残り7年の契約期間でどこまで金額に見合った成績を残せるだろうか。

 カノは昨オフにFAとなり、ヤンキース残留という大方の予想を裏切ってマリナーズと10年総額2億4000万ドルで契約。近年、大型契約を結んだ選手が直後に成績を落としていることもあり、昨オフの時点で31歳だったカノとの10年契約にも疑問の声が上がった。

 しかし、今季は打率3割1分4厘、14本塁打、82打点と期待通りの活躍。マリナーズをプレーオフまであと一歩のところまで牽引した。近年は下位に低迷し続けていた弱小球団に勝者のメンタリティーを植え付けたことも高く評価されている。ただ、本当に価値を高められるかは、残り9年の契約期間でどれだけの成績を残すかにかかっているだろう。

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