メジャーで高騰する報酬は“適正額”か? 田中将大は年俸総額歴代20位にランクイン

前半戦で圧巻の成績を残した田中、真価が問われるのは来季以降

 ラミレス以外は現役選手だが、成績が下降線を辿っている選手が比較的多い。メジャーでは、異常とも言える長期契約が増えていることに批判の声が集まり始めており、それも当然のことと言えるかもしれない。

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2014シーズン前半戦、田中の活躍は“適正価格”【写真:田口有史】

 そして、20位に登場しているのが田中だ。昨オフ、新ポスティングシステム(入札制度)で壮絶な争奪戦の末にヤンキースに入団。7年総額1億5500万ドル(約182億円)という額は、長いメジャーの歴史でも20位に入る。

 もっとも、上位に入っている選手は、いずれも確固たるキャリアを築いてきた選手たち。まだメジャーで1球も投げていない投手に付いた額としては、前代未聞と言えるだろう。ただ、それだけ田中が2013年に楽天で残した24勝無敗という“漫画のような成績”、そして実際のピッチング内容が衝撃的だったいうことだろう。

 実際に、田中は今季、開幕から圧倒的な投球を見せた。右肘の靱帯部分断裂がなければ、間違いなくサイ・ヤング賞の有力候補になっていたはずだ。負傷するまでの前半戦に残した12勝4敗、防御率2.51という成績は、年俸総額ランキングの上位に登場する投手たちと比べても見劣りしない。現地でも、大型契約は「適正価格」だったとの見方が圧倒的だった。

 問題はこのピッチングを契約満了まで続けられるか。そして、今年のような負傷をすることなく、1年間を通してローテーションを守れるか。これは田中自身が掲げる最大のテーマだけに、来季以降に期待がかかる。スター選手の大型契約を疑問視する声が上がっている中、田中はここからどんなピッチングを見せてくれるだろうか。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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