来季へ向け高い期待を集めるダルビッシュ 「メジャーでも最も打てないピッチャーの1人」

ダルビッシュは「メジャーでも最も打てないピッチャー」

 そして、3位タイで登場するのが、ダルビッシュとベルトレの2人だ。レンジャーズは今季、プリンス・フィルダー内野手、秋信守外野手ら大補強を敢行したにも関わらず、ア・リーグ西地区最下位という不振に終わった。しかし、投打の大黒柱は他球団の並み居るエースと強打者の中で、トップ3に選出されている。

 寸評では「ダルビッシュの負傷離脱を含んだレンジャーズの悲惨な14年シーズンを考えれば、ベルトレとダルビッシュのことは忘れてしまいやすい。28歳のダルビッシュはメジャーの3年間で39勝25敗、防御率3・27。2013年シーズンは209回2/3を投げ、リーグトップの277奪三振でサイ・ヤング賞投票2位に選出された。健康ならば、メジャーで最も打てないピッチャーの1人であることは明らかだ」と高く評価されている。ダルビッシュの予想WARは4.4となっている。

 一方、ベルトレは寸評で「今年レンジャーズで数少ない光明だった」と紹介されている。打率3割2分4厘、出塁率3割8分8厘はキャリア最高だった。パワーはやや衰えているが、19本塁打、33本の二塁打を記録するなど実力は健在とみなされ、予想WARは5・3。合算値は9・7となっている。

 2位はドジャーズのクレイトン・カーショー投手とヤシエル・プイグ外野手。ポストシーズンでは散々な目にあったカーショーだが、レギュラーシーズンでは21勝3敗で防御率1・77、三振239と驚異的な成績を残した。寸評では「近年で最も圧倒的なレギュラーシーズン」「15年シーズンにパフォーマンスが急降下することは予想できない」と賞賛されている。リーグMVPにも選出されているメジャー最高の先発投手の予想WARは4・8と算出されている。

 一方、「最もエキサイティングなプレイヤー」と称されるプイグは24歳になったばかり。強肩と守備範囲の広さも魅力のキューバ出身の暴れん坊は今季、打率3割5厘、16本塁打、37本の二塁打、9本の三塁打を放った。 WARは5.2で、2人の合算値は10となっている。

 1位はエンゼルスのマイク・トラウト外野手とガレット・リチャーズ投手のコンビが選出された。ア・リーグ MVPに輝いた23歳のトラウトの予想WARは驚異の8・7。今回のトップ10で登場した名手マカッチェンの6.2、ポージーの6.1を遥かに凌ぐ数字を残しており、実際にはトラウト1人で今回8位のナショナルズコンビに並ぶほどの活躍が見込まれている。

 その一方で、リチャーズも今季、13勝4敗、防御率2・61と活躍。故障離脱するまではサイ・ヤング賞候補にも挙げられていた。WARは2.9と算出され、合算値は11.6となっている。

 今季は右肘の炎症で後半戦を欠場したダルビッシュだが、今回のトップ10に登場した両リーグのスーパーエースの中で、来季の予想WARではカーショーの4.8、セールの4.8、キング・フェリックスの4.6に次ぐ、4位の4.4という圧倒的な評価を受けている。

 現在はテキサスに戻っているダルビッシュ。右肘の精密検査を受け、異常がないことが確認されたため、12月上旬にはキャッチボールを再開することになった。来季は健康体を取り戻し、再び圧巻のピッチングを見せてくることを期待したい。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY