新天地で再び輝くか 広島退団のバリントンが築き上げた功績
広島の歴代助っ人最多となる勝利数を記録
今季、この助っ人右腕の失速が、チームの失速の一因にもなった。味方の失策でイラつく様子を見せて崩れたり、四球で走者をため、失点する場面も目についた。持ち味の粘り強い投球がなりを潜めた。防御率4・58は来日後ワーストの成績だった。
それでも、この右腕が広島に与えたものは大きい。何より特筆すべきなのは、在籍4年間、大きな負傷をすることなく、シーズンを通してローテを守り抜いたところにある(今季終盤は右肘違和感で離脱したが……)。4年間の登板数は30、29、28、23試合。過去3年は、170イニング超を投げ(今季は131回2/3)、積み重ねた通算40勝は、広島の歴代外国人の最多勝利記録である。
ローテを守り抜き、10勝前後、防御率3点台前半を計算出来る投手というのは、チームにとってありがたいもの。現に広島のユニホームは脱ぐことになったが、国内の複数球団が獲得に興味を示し、一部の報道によれば、オリックスへの入団に迫っているという。
オリックスにとってはエース金子が国内FA権を行使し、流出の可能性もあるため、先発投手陣を強化したいところ。金子残留となっても、金子、西、松葉の侍トリオに次ぐ、貴重な先発ローテの一員になる。
間違いなく、近年の球界の外国人投手の中で、優良助っ人と呼べる実績を広島で残したバリントン。来季はユニホームを着替え、その“右腕”を振るうことになるだろう。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count