巨人の捕手は固定か、日替わりか 重要なポジションは誰に任される?
各投手との相性も重要
加藤も出場機会に恵まれないが、巨人の生え抜き選手の中では鈴木尚広(1996年ドラフト4位)、高橋由伸(1997年ドラフト1位)に次ぎ、3番目(1998年ドラフト3位)に長く在籍している。これまで2軍を含めて多くの投手の球を受けてきたデータがある。内海哲也との相性が良く、今年も1軍のゲームで加藤は内海とバッテリーを組み、勝利することもあった。
また1軍登録の兼ね合いで状態がいい時でも2軍戦出場も多いため、現在の若手のボールも受けており、良き相談役となっていた。来季、ローテ入りを目指す今村がまだ2軍戦にしか出場したことがなかった時期に、1軍で活躍するために彼に合った変化球の取得や配球アドバイスをするなど、若手からの信頼も厚い。
實松も加藤も、小林や相川にない魅力を持っているため、簡単に2人だけの争いにはならないだろう。實松、加藤も大きな「阿部」という壁の前に、レギュラーを奪い取ることができなかったが、来年はまた新しい気持ちでシーズンに臨む。伸び悩んではいるが、打撃のパワーや飛距離なら期待値の高い23歳の河野元貴ら、ファームにも期待の若手は多くいるため、捕手を巡る争いは見逃せない。
また、正捕手を射止めるには実績ともに巨人のエースの風格が漂う菅野智之との相性もキーポイントになってくるかもしれない。菅野クラスになれば、捕手によって自分のピッチングを崩すことはなさそうだが、今年はほとんど阿部が受けていた。期待の2年目の小林がレギュラーを取るには菅野との相性も関わってくる。
菅野がピンチを迎えた時に、阿部の経験の豊富さによって幾度も危機を脱してきた。若い小林にもその力が試されるに違いない。小林と最高に相性のよかった澤村拓一は来年からリリーフにまわり、絶対的なコンビはいなくなった。小林もまずは先発投手陣から信頼をつかんでいく。
チームの命運を左右するキャッチャーというポジション。菅野を軸に内海、杉内、大竹、小山、今村、2人の外国人投手……という先発候補に対し、果たして固定となるか、日替わりとなるか。各捕手の力が試される。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count