工藤新監督が打ち出す投手力強化 「1軍投手枠」をかけた争いの行方は?

「エース摂津を脅かす存在」は出てくるのか

 真っ先に、今季は1試合のみの登板だった左腕に教えを与えた理由について、指揮官は「バランスで悩んでいるなと見えたので。1つでも解消出来たら、と思って。(山田は)上で投げていて、実績もあるから(フォームを)崩さないだろうと思って、話をした」と説明。初の視察を終えると「下半身の使い方を良くすれば、(球速が)あと5、6キロ速くなるのにな、という選手はいた」と総評し、可能性を感じる存在をほのめかした。

 2度目のキャンプ視察を行った同21日には、東浜巨に「ミリ単位」での制球を指導。福岡・西戸崎にある室内練習場や寮を見学した際には、このときにブルペン入りした1軍登板のない伊藤祐介を「腕の使い方がいい。バネも感じる」と評価し、こちらも下半身の使い方などのアドバイスを送った。

 工藤監督が実際に練習を見たのは、キャンプの2日と室内で行われていた自主トレのみ。キャンプでは主力組はほとんど参加しておらず、選手全員を把握出来ているとは、言い難い。「みんなを見てみたい。みんな見て、話をしたい」と話す指揮官。本格的な指導、選手発掘は、春季キャンプに入ってから、ということになるだろう。

 東浜巨、岩嵜翔、巽真悟、川原弘之、大場翔太、武田翔太、山田大樹、飯田優也などなど……。候補となり得る素材は、豊富にいる。新指揮官のお眼鏡にかなうのは、一体、誰か。工藤監督は、新加入の松坂大輔についても「キャンプで見てから」としており、春季キャンプから、1軍投手枠のイスをかけた、ヨーイドンの競争が始まる。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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