注目される鳥谷の動向 野茂から続く日本人MLBデビューの歴史は途切れるのか
1年目から主力、もはや「挑戦」という言葉はふさわしくない
1995年、野茂はドジャースとマイナー契約を交わし、メジャー挑戦のパイオニアとなった。5月に日本人としては村上以来のMLBデビュー。日本人2人目のメジャーリーガーとなり、トルネード旋風を巻き起こした。
1年目から13勝6敗、リーグトップの236奪三振と大活躍。キャリアを通じて、新人王獲得、2度のノーヒットノーランなどの偉業を達成した。野茂が扉をこじあけ、日本人選手の挑戦が本格的に始まった。
翌年、マック鈴木が日本球界を経験せずにマリナーズでメジャーデビューした。1997年には長谷川滋利がエンゼルスへ金銭トレードという新しい形で加入すると、入団会見では英語を披露。ディズニーランド近くに本拠地を置くアナハイムの球団に入団した右腕はチームの印象を記者から問われ「ピッチャー・イズ・ミッキーマウス。キャッチャー・イズ・ミニーマウス」とジョークを交えて答えるなど、話題を呼んだ。
1998年には吉井理人が初めてFA権を行使してのメジャー挑戦でメッツへ入団。その後も、佐々木主浩、イチロー、新庄剛志、松井秀喜、松坂大輔、ダルビッシュ有、田中らが海を渡ったが、次第に入団1年目からチームの主力として、相手を上回るプレーを見せるようになっていった。
多くの日本人選手がメジャーで実績を残してきた今、「挑戦」という言葉はもはやふさわしくないかもしれない。主力としてワールドシリーズに出場する選手も増え、日本人の力が証明されていった。