注目される鳥谷の動向 野茂から続く日本人MLBデビューの歴史は途切れるのか
鍵を握る鳥谷にはブルージェイズが興味
そして今年は前田や金子といった選手が海を渡ると思われていた。メジャー球団のスカウトもシーズンを通して投球をチェック。契約への準備を進めていたが、2投手とも日本残留が決まった。
昨年から新ポスティング制度になり、入札金の上限が2000万ドル(約23億8000万円)になったとはいえ、前田が広島残留となった理由は金額ではない。今季は11勝9敗、防御率2.60。2桁勝利を達成したが、例年のような圧巻の投球は見られなかった。優勝にも手が届かず、本人も球団も今季の成績に納得していない。また、金子はオフに入ってから手術した右肘の影響もあったのかもしれない。
ただ、今オフの日本人選手のメジャー移籍の火は消えていない。
ブルージェイズのアレックス・アンソポウロスGMは、地元メディア「スポーツネット(電子版)」で鳥谷敬内野手を「間違いなくチームにフィットする」と絶賛し、正二塁手候補として獲得を検討していることを明言。代理人のスコット・ボラス氏がどのような決断をするのかも注目されている。
一方で阪神も残留へ全力を注いでおり、まだまだ去就の行方はわからない。メジャーデビューが途切れたからといって日本人選手の功績が色あせることはないが、20年もの間、続いてきた歴史だけにその動向は気になるところだ。20年連続で終わるのか、21年連続となるのか、まずは鳥谷の去就の行方を見守りたい。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count