【パ×Full-Count】統合10年目の結実 なぜオリックスは2014年に躍進を遂げたのか

チーム成績と経営努力がかみ合った2014シーズンに一気に飛躍

――チーム成績(リーグ2位)とうまくマッチしたと?

「チームの低迷が続いていると、いろんなこことをやってもスピードが遅くなります。両輪が上手く回るとスピードも速くなるし、ファンの人の見え方も基本的には同じことやっているんですけど、受け止め方も違いますから。重要なことは何かものすごく新しいことをやるというよりは、同じことをきっちりやっていくということです。その質だけは絶対に下げないで、逆に上げていくことを必死に考えています。もちろん、時代の流れに応じた変化は必要ですが。

 実際の例を挙げると、ポストシーズンについて2008年に出たときは、日本シリーズ並にチケットの価格を上げてしまったんです。収益は伸びますが、それだとお客さん来づらくなるじゃないですか。それはやめようと、今回は普段の価格とほぼ同程度の価格で展開したんです。一定の収益目標だけはきっちり定めて、収益と動員のバランスをしっかりとろうと。その結果、非常に多くのお客さんに来ていただいて、9割くらいがバファローズファンという環境を作ることができました。

 一方でタイガースさんが同じ時間に甲子園でやっていまして、向こう4万5000人、ドームは3万5000人と、8万人ぐらいが同じタイミングで野球を見ていたというのが、ものすごく自信になりました。ドームで9割ぐらいのバファローズファンで埋められるんだと。企画の設計と、チームが強いということ、そしてサービスの3つがちゃんと整うと、お客さんは来て頂けるんだなと。それが分かったのが2014年で、実際改革の手ごたえをつかんだ元年みたいなつもりなんですよね」

――女性ファンも増えてます。

「2014年は女性の来場者数もかなり増えていまして、バファローズならではのことをもっとやりたいと考えています。タイガースさんとの差別化を図る意味でも、女性に限って言うと、もう少し女性向けのアイテムとかそういうのも全部ラインナップさせていく。そうしたイベント、仕掛けは、来シーズンもっと積極的にやっていきたいなと思っています。

 女性っていうのは一人だけじゃなくて、複数人で来てくださる方が多いので、口コミで広まっていきます。逆にマイナスイメージを持たれてしまうと、ダメージも大きいですけどね」

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