米メディアがオフの勝者&敗者を分析、イチロー加入のマーリンズは“勝ち組”に
ジャイアンツは青木獲得で「リカバー」?
一方、“負け組”の1位に選出されているのはレイズだ。カブスに引き抜かれた名将マドン監督のみならず、ドジャースにアンドリュー・フリードマンGMも流出したことや、内野から外野までこなす万能派のベン・ゾブリストら実力者も移籍したことが指摘されている。
2位に挙げられたのはアスレチックス。マネーボールで有名なビリー・ビーンGMはドナルドソン、サマージャ、レスター、ローリーら実力者が次々と流出する代わりに、有望な若手を獲得したことから「ロースターは弱体化したが、彼らには魔法の歴史がある。何が起こるかわからない」と反転攻勢も予想されている。
3位はオリオールズで、寸評では「彼らはクルーズ、マーケイキスを失い、ノリ・アオキ、コルビー・ラスマス、イチロー、その他の明確な代役を獲得することができていない」と言及。補強が必要だった外野手の先発候補としてリストアップしていた青木、ラスマス、イチローら実力者を逃した部分が大きなマイナス材料となっている。
4位は補強や高額年俸選手の整理に失敗したフィリーズ、5位はロッキーズの勝てない現状にフラストレーションを募らせながら、移籍できなかったトロイ・トゥロウィツキー内野手、6位は実績抜群だが、高年俸などでトレードが成立しないフィリーズの守護神ジョナサン・パペルボン投手、7位はオフにさほど目立った補強のなかったメッツ、8位はブルワーズ、9位はアストロズに移籍を決めたラスマスが挙げられている。
また“現在協議中”リストには、1位にシャーザー、ポーセロという先発陣を失ったタイガースが挙げられている。
2位のジャイアンツはサンドバルの争奪戦でレッドソックスに敗れるダメージがあったが、「終盤にノリ・アオキをとてもお買い得な470万ドルの1年契約で獲得した。うまくリカバーした」と分析されている。
3位に挙げられたのは田中将大投手の所属するヤンキース。限られた予算での補強は進めたが、記事では「マサヒロ・タナカが完全に健康にならない限り、絶対的なエースがいない」と指摘。右肘靭帯部分断裂から復帰した右腕の健康状態を危惧している。デレク・ジーター主将の引退で空座となった遊撃手、そして二塁手の打撃面と経験不足も不安要素としている。
4位に入っているのはドジャース。高騰した人件費の抑制にある程度成功した点を評価しつつも、マッカーシーとの大型契約には疑問符をつけている。5位はブレーブス。今季ナ・リーグ東地区での競争力低下は否めないという。
「スモールベースボール」を掲げるジャイアンツは、パワー面で戦力ダウンしたとの評価がある一方、青木を獲得したことでさらにスピード重視の野球に移行するとされている。昨季はロイヤルズのワールドシリーズ進出に貢献した男がキーマンになる可能性はあるだろう。
また、ヤンキースは先発ローテーションに不安を抱えており、田中が万全の状態でシーズンを過ごすことが巻き返しへの絶対条件とされている。こちらもキーマンとなることは間違いなさそうだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count