ヤンキース元4番打者の「終わらない旅」 異色のミュージシャン転身
夢は世界ツアー、「イチローはプロダクション・マネジャー、ヒデキはボディーガード」?
ニューヨークの学校に通って音楽を極めようとするウィリアムズ氏の夢は、世界をツアーで回ること。「世界中を音楽で旅したい。野球に注いできた情熱と献身的な姿勢を全て音楽に注ぐんだ。音楽と野球でも成功することに必要なのは同じ。情熱を燃やして一生懸命やることが重要だ。現役時代はいい成績を残したいというプレッシャーが常にあった。今はベストの音楽家になりたいが、締め切りに終われるような気負いはない」と情熱を傾ける。
現役時代の精悍な勝負師の顔は、年齢を重ねて穏和な音楽家の面持ちになった。「終わらない旅」を満喫中といった感じのウィリアムズ氏に対し、冗談交じりの質問を投げかけてみた。現役時代に対戦相手として熱い視線を送り続けたイチローと、同僚としてプレーしたこともある松井秀喜氏。2人をバンドのメンバーに加えるならば、どんな役割を任せるのだろうか。すると少し考えた後、茶目っ気たっぷりに返答してくれた。
「イチローは素晴らしい性格の持ち主で多くの人をひきつける魅力がある。だから、プロダクション・マネジャーとして迎え入れたい。ヒデキは俺のボディーガードかな。セキュリティーとしてライブに来てもらうよ(笑)」
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伊武弘多●文 text by Kota Ibu