復帰会見でも際立った黒田の男気 「存在感の大きさ」に球団幹部も驚嘆

“相思相愛”の関係が崩れることはなかった

「最初にメジャーに挑戦した時から、もし日本に帰ることがあれば、是非カープに帰ってきたいと思ってました。そういうことを口にはしてましたけど、その気持ちがぶれないためにも何とかメジャーで結果を出し続けたいという、それがメジャーで投げ続ける自分の中での1つのモチベーションに今考えればなっていたと思います。それくらいの気持ちにさせてくれるチームだと思いますし、ましてや今回、僕と一緒に出て行った新井がまたカープに帰ってくるということで、球団としての懐の大きさというか、度量の大きさというのをまた改めて感じました」

 ファン、そして球団への思いは、黒田も負けないくらい強かった。7年間のメジャー生活を送る中でも、“相思相愛”の関係が崩れることはなかった。

 メジャーで輝かしい成績を残し、日本人初の快挙となる全30球団からの勝利にもリーチをかけていた。20億円以上とも言える年俸を捨てて、4億円(推定)の広島を選んだことも大きな話題を呼んだ。ただ、個人の記録よりも古巣への愛を選んだ決断は、いかにも黒田らしいものだったと言える。

「当然、プロとしてそういう記録が大事かもしれないですけど、年齢含めて色んな部分を考えると、カープに帰るとしたら今年が最後じゃないかなと自分の中で勝手に判断していた部分もあった。そういう色んなことを考えつつ、帰るなら今年しかないかなということだったと思います」

 24年ぶり優勝にも期待がかかるシーズン。鈴木球団本部長は、記者会見で隣に座る黒田を見ながら「あらためて存在感の大きさに驚いてます」と頼もしげに言った。古巣への愛を貫いたバリバリのメジャーリーガーがもたらすものは、計り知れない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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