日本復帰で黒田の投球スタイルはどう変わる? 鍵を握る右腕の“取捨選択力”
日本で迎える新シーズンは「不安しかない」
この言葉から読み取れるのは、日本時代のようなスタイルに戻すことは考えていないということ。アメリカで築き上げた技術が、2度目のキャリアをスタートさせる日本でどのような結果を生むのか。まずは、それを試していくことになりそうだ。
となると、次はメジャーでの投球スタイルを日本でも維持できるかが課題として浮かび上がってくる。ボールは滑らなくなり、マウンドも柔らかくなる。ボールが変わることで、生命線のシンカーは、“魔球”のように動いていたメジャー時代と違い、変化が小さくなることも予想される。
黒田自身、新シーズンへ向けての気持ちとして「不安しかないです」と心の内を明かす。ただ、マウンドとボールへの対応については、淡々と語っている。
「マウンドに関しては、実際に上がらないと分からないこともたくさんあると思いますし、球場によってマウンドの硬さ、傾斜は変わると思うので、それは投げていく中でアジャストしていかないといけないと思います。
ボールに関しては、アメリカはあれだけ広く、地域、球場によって変化の仕方が違ったので。ドームとか屋外の球場によってもボールの動き方は変わってくると思いますし、それをある程度、自分の中で早い段階で把握しないといけないかなと思っています」
メジャーには各リーグだけでも15球団ずつあるため、同じチームとの対戦は日本のように多くない。同地区でない限り、1シーズンに敵地のマウンドに2回も3回も上がることはないのだ。この球場で投げるのは何年かぶり、ということも珍しくない。本拠地以外では、当日にマウンドに上がってから硬さや傾斜を確認し、最初はアジャストしながら投げ続けることが基本だということを、黒田自身もシーズン中に明かしていた。