黒田博樹に「驕り」「過信」なし “日本式調整”で「完投」も視野に
若手選手とともに汗流す黒田、そこに「驕り」や「過信」は見られない
ただ、中6日が基本の日本では、好投を続けながら試合終盤に入っていけば、完投も求められる。メジャー時代には「アメリカに来てからは完投に対するこだわりというのはなくなりました。こっちでは自己満足でしかない部分もあるので」と話していた黒田だが、広島では再び“先発完投型”のスタイルへと戻す必要があると感じている。
チームのために何ができるかを常に頭に入れているからこそ、そこでやるべき仕事が何かを考え、役割を全うする。そのプロ意識は、どこにいても変わらない。「やはり日本では完投も視野に入れながら投げることになるのか?」と聞かれた黒田は、こう即答している。
「そうですね。登板間隔によっても変わってくると思いますけど、あとは監督の方針だと思いますし、自分としてはそれなりの準備はしておかないといけないなと思います」
メジャーのキャンプでは、投手陣の練習が1時間もかからずに終わることもあった。日本に戻り、「特別待遇」も許される立場にあるはずだが、黒田は約3~4時間の練習を若い選手とともに笑顔でこなしている。そこに「驕り」や「過信」は見られない。チームに与えられる役割を全うするため、努力を惜しまない。これこそが、日本とメジャーで確固たる実績を残してきた男の最大の強さと言えるだろう。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count