ソフトバンクの新オーダー 「4番柳田」はあるのか

様々な可能性を探る工藤監督、開幕戦のオーダーは果たして……

「4番李大浩、5番柳田」ではどうか。この並びでもクリーンアップの顔ぶれは変わらないが、柳田の持ち味を消しかねない。それが、先にも記した33盗塁を決めた「足」。柳田が出塁した場合でも、前の李大浩が1つ先の塁にいた場合、走力は活きない。

 例えば、李大浩が一塁走者で、柳田が右中間への安打を放ったとする。柳田の走力なら三塁打に出来る打球だったとしても、李大浩が本塁まで生還出来なければ、二塁打止まりになってしまう。二、三塁となっても次打者(21日なら松田)が浅い外野フライでは、李大浩は生還出来ないだろう。これが柳田なら、犠飛に出来る確率はぐんと高くなる。

 また、2死一、二塁のような場面で二塁走者が柳田なら、単打1本でかなり高い確率で1点が入るが、李大浩だとその確率はかなり低下する。3割30本30盗塁のトリプルスリーを狙える柳田の機動力を生かすには「李大浩、柳田」の並びは得策ではないように思える。

 工藤監督は、様々な可能性を探っており、今後のオープン戦でも多様なオーダーを組んでいく考えでいる。3番の内川も決して足が速いわけではなく、この機動力という面で言えば「3番柳田、4番内川、5番李大浩」の並びも、試す価値はある。もちろん、昨季終盤に機能した1番柳田も選択肢になるだろう。

 開幕までに組まれているソフトバンクの実戦(オープン戦、練習試合)は22試合。オフに右足首を手術し、B組でキャンプを送っている長谷川が、いつ戻ってこられるのかも打順の並びに影響を与えるだろう。約1か月で、新指揮官はどんな答えを導くのか。3月27日、ロッテとの開幕戦(ヤフオクD)に向け、工藤監督の思案の日々は続く。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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