開幕1軍あるか 評価高まる巨人のルーキー2投手は何がスゴイ?
首脳陣の評価上昇、新人離れした度胸を見せる22歳
キャンプも終盤に差し掛かり、シーズン開幕まで残り1か月となった。これから戦力の見極め、1、2軍の振り分けが激しくなっていく。そんな中、豊富な戦力を誇る巨人で、2人の新人投手が開幕1軍メンバー入りに手の届きそうなところまで来ている。日大からドラフト2位で入団した左腕・戸根千明投手と三菱重工名古屋からドラフト3位で入った右腕・高木勇人投手だ。2人はキャンプ1軍メンバーに入り、アピール。紅白戦、対外試合でも好投を続け、首脳陣の評価を高めている。
戸根は173センチと投手としては背が高い方ではないが、体重は91キロ。視察に訪れたカネヤンこと金田正一氏から「ダルマさん」とも呼ばれるなど丸みを持った体が特徴的な選手だ。分厚い胸板が目立ち、よくナインからパンチされるなどいじられている。
柔軟性があり、スリークオーター気味に投げるボールは威力満点。気迫を前に出し、140キロ中盤のストレートを打者の内角に積極的に投げ込むことができる強心臓の持ち主でもある。
同投手の最大の強みは「ポジティブ思考」であることだ。「そうでなければ自分が自分ではなくなってしまうので」と話す左腕は物事を前向きに捉える。
マウンドでも決してネガティブにならず、気持ちを高ぶらせて投げ、打者を仕留めてきた。その姿勢はプロに入っても変えようとしない。22日の楽天とのオープン戦でも1イニングを無失点。「今までテレビで見ていた」という選手たちと対等に1軍争いをしていることに「どの選手もライバル。闘志を消さずにやっていく」。憧れの存在ではなく、あくまで競争相手として、闘争心をあらわにした。
金田氏から絶賛された際には「感激しました。僕も金田さんのような投手になりたいです。金田さんのような力のあるストレートを投げてみたい」と話した戸根。大先輩の現役時代は直接は知らないが、同氏の実績は学生時代から意識していたという。400勝投手ということだけではなく、その登板数や敗戦数、打者からいかに恐れられていたかなど、伝説の左腕についてきちんとした知識を持ち、敬意を抱いていた。そんな22歳ルーキーは頭の回転も速い。