開幕1軍あるか 評価高まる巨人のルーキー2投手は何がスゴイ?

打者の度肝を抜く高木の武器、対戦相手も「不思議な球」

 一方の高木は社会人野球を7年も経験。新人ではあるものの、「自分の中で色々と確立されてきているものがあります」と話すなど自立した投手だ。

 ブルペンに入った回数は最多。強制ではなく、自分から率先して投球練習を行った。登板過多を心配した首脳陣が逆に配慮したほど。高木はブルペンで体をつくることで、今のピッチングを築き上げてきた。投手なら投球後は当たり前のように肩の炎症を抑えるアイシングをするが、高木はあまり好まない。自分で考えたスタイルにこだわりを持っている。

 技術でも大きな武器がある。カットボールを投げるが、スライダーのような変化をするのだ。さらにそれがスライダーよりも速く、かつ鋭く変化する。これが打者の度胆を抜いている。

 対戦打者も「あれはカットボールじゃない。でもスライダーでもない不思議な球」と困惑。ストレートも力強く、戸根と同じく楽天戦でも1回無失点。原監督をうならせた。

 巨人のリリーフ陣には左腕の山口鉄也、右腕のスコット・マシソン、澤村拓一が控える。彼らが7~9回を1回ずつ投げるのが勝利の方程式。好調ならば6回をこの左右の両腕ルーキーが投げることも十分にある。

 かつて越智大祐、山口といった左右2人のセットアッパーが巨人の一時代を築いた。2012年に日本一になった際も高木京介、田原誠次という左右のルーキーがブルペンにいた時期もあった。優勝に不可欠な左右のセットアッパーの存在。過去に優勝に導いた先輩たちのように、新人離れした強気のルーキーたちがチームを支える活躍を見せるかもしれない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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