MLBで高騰する“キューバ株” 契約を巡る課題と国際ドラフトの可能性
“松坂超え”となったモンカダ獲得金額
例えば、2013年に26歳でドジャースと契約を結んだアレクサンダー・ゲレロ(二塁手)は4年2800万ドルに加え、1000万ドルの契約ボーナスを得た。昨年同じく26歳でレッドソックスと契約を結んだルスネイ・カスティーヨ(外野手)は7年7250万ドルという契約を得ている。
契約が大きくなる一方で、まだメジャーで一度もプレーしたことのないキューバ人選手が高額な契約を勝ち取ることについて議論がされ始めていた。そこに追い打ちを掛けたのが、先日報道されたレッドソックスと19歳の内野手ジョアン・モンカダとの契約合意だ。
詳細な契約内容は明かされてはいないが、年俸とは別に支払われる契約ボーナスが3150万ドルにもなるという。レッドソックスは今季定められた23歳以下の海外アマチュア選手(アメリカ合衆国、カナダ、プエルトリコ出身以外の選手)との契約ボーナス金限度額を超えたため、ペナルティーとしてモンカダに対する契約ボーナスと同額をMLB機構に支払わなければならない。
つまり、モンカダ獲得のために年俸の他に合計6300万ドルを費やす計算になる。新世代のキューバの至宝とも言われる注目株に、ヤンキース、パドレス、ドジャースが獲得を目指したため、選手の価格はみるみるうちに上昇。レッドソックスは、松坂大輔を獲得した時以上の高額を注ぎ込んだ。