開幕に間に合うか 宮崎キャンプを経た松坂大輔の仕上がりとは

充実の表情で総括、「満点」届かずも、「十分でした」

 20日には2度目の打撃投手として登板。助っ人のカニザレスと、かつて「平成の名勝負」と呼ばれる幾多の対戦で球界を盛り上げてきた松中信彦と対峙した。松中は22球中安打性4本、カニザレスは23球中安打性0本と完封し「前回よりも確実に良かった。ストレートと分かっていて差し込まれたり、振り遅れたりというのは悪くない」。

 打撃投手を終えた後も、ブルペンで捕手を座らせ28球。その後は佐藤投手コーチのマンツーマン指導の下、捕手を立たせて、さらに104球を投げ込み、「考えていることと、やっていることの方向が合ってきた。試合でも投げられると思う。順調です」とした。

 ここから調整ペースには若干の狂いが生じた。右手の親指と薬指に出来たマメの影響だった。マメがつぶれることを危惧して結局、26日までブルペンでの投球練習を回避せざるを得なくなった。実に6日間、投球練習を行わないままキャンプ打ち上げの時を迎えた。

 9年ぶりの日本でのキャンプを終えた松坂は「満点ということはないですけど、自分のやりたいことにプラスαがあればよかったですけど、マメができるまでにやりたいことはできた。十分でした」と充実の表情でキャンプを総括した。現状、松坂自身の中では順調にステップを踏んでいると言える。

 実戦初登板は3月4日の阪神戦(甲子園)になるという。横浜高校時代に沸かせた聖地のマウンドで再スタートを切るというのも、何か因縁めいたものが感じられる。ここから開幕(3月27日)までの1か月間も、フォームの微調整は続く。調整登板の場は4試合。いかなる形に仕上げて開幕の時を迎えるのか。松坂大輔の試行錯誤は、まだ続く。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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