江口が延長11回完封で投手戦制す “78年ぶり対決”は浦和学院に軍配
大会屈指の両エース左腕が快投する熱戦、龍谷大平安・高橋は延長11回に2失点で散る
第87回選抜高校野球大会3日目で、78年ぶりの対決が実現した。初戦で一昨年王者・浦和学院(埼玉)と、昨年王者・龍谷大平安(京都)が対戦。最近2大会の優勝校対決は78年ぶりとなったが、延長11回の熱戦の末、浦和学院に軍配が上がった。龍谷大平安の春連覇はならなかった。
試合は、昨年優勝の立役者の一人となった龍谷大平安の高橋奎二投手(3年)と浦和学院のエース・江口奨理(3年)による投手戦に。大会前から前評判が高かった2人の好左腕が、実力を存分に発揮し、熱戦を演出した。
初回、浦和学院は先頭・諏訪のセンター前ヒットと犠打で、いきなり1死二塁とチャンスを作る。さらに、4番・山崎の四球などで2死1、3塁としたが、5番・幸喜はセカンドライナー。龍谷大平安の高橋がピンチを切り抜けた。
一方、その裏の攻撃で龍谷大平安も2死からチャンスを作る。四球とヒットで、こちらも2死1、3塁の好機。しかし、浦和学院の江口が5番・正木を空振り三振に仕留め、無失点に抑えた。
龍谷大平安は2回も2四死球と内野安打で1死満塁の絶好機を作る。ただ、ここで1番・城島は二ゴロに倒れてダブルプレー。江口がここでも踏ん張った。
3回、浦和学院は2死1、2塁のチャンスを生かせる無得点。龍谷大平安はこの試合初めての三者凡退に終わった。4回は龍谷大平安が2死1、3塁で9番・市岡がセカンドゴロ。5回の浦和学院も2死2塁としたが、3番・津田がライトフライ。両左腕は走者を出しながらも相手打線に得点を許さない。
6回には龍谷大平安がツーベースと送りバントで1死三塁の好機。しかし、ピッチャーの6番・高橋は三ゴロで、三塁走者は本塁タッチアウト。ここでも江口が粘った。7、8、9回は両チームともにチャンスを作れずに無失点。9回は両左腕が三者凡退に仕留める好投を見せ、試合は延長に突入した。
10回は両チームともに三者凡退。しかし、11回に均衡が破れる。浦和学院が先頭の4番・山崎が四球で出塁し、幸喜の送りバントで1死二塁。新谷は空振り三振に倒れたが、7番・荒木が三塁線を破るレフト前ヒット。値千金のタイムリーで高橋からついに1点を奪った。さらに、続く西野が一塁線を破るタイムリー二塁打で追加点を奪った。
その裏、江口は先頭の吉村を四球で出すが、続く橋本をサードゴロで併殺に打ち取る。最後は4番・西川をサードゴロに仕留めて勝利。江口は延長11回無失点の快投で、大会屈指のサウスポー同士による手に汗握る熱戦を制した。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count