松山東が82年越しの選抜初勝利 “坊っちゃん対決”制す

史上最長ブランクとなる82年ぶり春の甲子園出場で初戦突破

 第87回選抜高校野球大会5日目で、今大会最大の話題校が登場した。21世紀枠で史上最長ブランクとなる82年ぶり出場の松山東(愛媛)が、二松学舎大付(東京)と対戦。5-4で勝利し、初戦を突破した。

 試合は序盤、二松学舎大付・大江、松山東・亀岡の両先発投手が好投。投手戦となり、ともに3回まで無失点に抑えた。

 試合が動いたのは4回。松山東は2四死球と内野安打で無死満塁のチャンスを作る。ここで、5番に入ったピッチャーの亀岡がライト前へ先制タイムリーを放った。さらに、1死満塁となってから7番・山田大がスクイズを決めて追加点。好投手の左腕・大江から2点を奪った。

 しかし、その裏の攻撃で二松学舎大付も反撃。4番・北本がレフトスタンドにソロ本塁打を叩き込み、1点を返した。

 5回は両チームともに無得点に終わったが、6回に松山東が再び大江を捕まえる。無死1、3塁として、亀岡がレフトオーバーのツーベース。エース右腕がまたしてもバットで大仕事をやってのけ、3点差に広げた。

 ただ、その裏に再び二松学舎大付が反撃する。1死満塁とチャンスを作り、6番・今村がセンター前ヒット。2者が生還し、1点差とした。さらに、2死1、2塁となってからピッチャーの大江がセンター前にタイムリー。同点に追いついた。

 すると、直後に松山東がまたもリードを奪う。1死1、2塁で3番・酒井がレフト前にはじき返し、二塁走者が生還した。

 亀岡はその後、3イニングを無失点に抑えて1点のリードを守りきり、松山東が快勝。二松学舎大付の大江は16奪三振を奪う力投を見せたが、及ばなかった。

 松山東は夏目漱石の小説「坊っちゃん」の舞台として知られ、正岡子規、大江健三郎、伊丹十三らを輩出した名門校。一方、二松学舎大付も夏目漱石ゆかりの学校として知られる。大会前から大きな話題を呼んでいた松山東だが、“坊っちゃん対決”を制し、このまま台風の目となるだろうか。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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