北海道勢初の春優勝なるか 東海大四が頂点に立つために貫くべき「型」
浦和学院には勝者の「隙」があった?
象徴的なシーンが2つあった。1-1で迎えた2回2死満塁。東海大四の1番・冨田勇輝は右方向へのゴロを放った。浦和学院のセカンド・台浩卓の守備範囲、3アウトチェンジ――。誰もがそう思った直後、台は打球をグラブではじいた。痛恨のエラーとなり、決勝点を与えた。
さらに6回の1死2塁では、塩田元が2ストライクに追い込まれ、浦和学院のエース・江口奨理の投じた変化球にバットが空を切った。空振り三振――。またもそう思わせたが、捕手・西野真也は捕球できず。ワイルドピッチで振り逃げを許し、ピンチが1死1、3塁と広がった。その直後、スクイズで東海大四に追加点を与えた。
両者が昨秋の明治神宮大会で対戦した際には、圧倒的ともいえる力の差を見せつけ、浦和学院が圧勝していた。そこに、この試合の流れをつくる伏線があった。森監督は、敗因をこのように分析する。
「うちの選手にどこか勝てるんじゃないか、という思いがあったのかなと思う。そこで一瞬の判断力、パフォーマンスが足りなかった。集中力を欠いていた」
洗練された浦和学院らしからぬミスが守備面で続いたのは、昨秋の記憶から導かれる勝者の「隙」があったのかもしれない。