【小島啓民の目】選抜連続満弾・松本と定位置つかんだDeNA新人 共通する「飛ばすコツ」とは

ただ者ではない敦賀気比・松本の打撃技術、プロも大事にする「ペッパー」

 敦賀気比の優勝で幕を閉じたセンバツ高校野球では、すごい記録が生まれました。背番号17番の松本選手が、準決勝の大阪桐蔭戦で2打席連続満塁ホームラン。2打席続けて満塁で迎えるという確率そのものが、かなり低いのに加え、連続本塁打を打つ確率は更に低いとなれば、大会初というような極めて稀な記録となるのは当たり前のことかもしれません。

 1打席目の打撃は、完璧なホームラン。2打席目は投球に上手く反応して打ったという技ありのホームランでした。特に2打席目について、金属バットだからホームランになったような感はありますが、インサイドの厳しい投球に両腕をたたみ、バットヘッドを走らせ、しっかりとボールを捉えた技術には唸らされるものがありました。決勝戦でも試合を決めるホームランを打ちましたので、ただ者ではありませんね。 

 松本選手の打法は、非常にシンプルだと言えます。反動を使うような無駄な動きが全くなく、力みが感じられません。ステップ時の左足の強い踏み込みと鍛えられた下半身から生まれる体の回転で打っているところが特徴的ですが、加えてボールを捕まえる感覚が非常に良いと思います。

 よく言う「飛ばすコツ」を知っていると言えるでしょう。バットヘッドの使い方が特徴的で、日ごろから正確にボールを捉えようと意識をして練習をしているのではないかと思います。

 野球をしている方なら分かるかと思いますが、「ペッパーゲーム」ってご存知ですか? 初めて聞く人もたくさんいるかと思います。ペッパーゲームとは、近距離(7~10メートル程度)で投げ手がボールを投げ、打ち手が投げ手に向かって打ち返すという、よく見る練習方法の1つです。日本では、「トス」「トスバッティング」と呼んでいるチームも多いようですが、正確には「ペッパーゲーム」です。

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