巨人ドラ2ルーキー戸根千明を支える反骨心 有言実行となったお立ち台
雑草魂で這い上がってきた戸根がプロ初セーブ、チームの3連勝&5割復帰に貢献
巨人が勝率を5割に戻した。一時は2勝5敗と借金が3つあったが、7日の広島戦に勝ち、3連勝。7回以降、マシソン、山口、澤村とリリーフ陣が無失点でつなぎ、勝ち越した延長11回。日大からドラフト2位で入った左腕・戸根千明が大事な場面を任された。持ち前の攻撃的なピッチングで11回を抑え、自身初のセーブをマーク。投手陣が本来の力を取り戻しつつあり、勢いが巨人についてきた。
戸根は「こんなしびれる場面で僕が……」とマウンドで思っていた。緊張ではない。興奮していたのだった。こんな場所に立てることを意気に感じて投げるタイプの投手なのだ。
島根・石見智翠館ではエースで1年からベンチ入りも、高校球界では無名。大学は東都2部の日大。「大学は2部だったので、このようなお客さんが入っているところで投げたことはあまりない」といつも日陰のプレーヤーを自負していた。
常に注目される1部リーグや東京六大学、全国大会に出ている同学年の選手たちを横目に、いつか自分が彼らより輝いてみせる――という強い気持ちを持っていた。雑草魂で這い上がってきた。
大きな体を作ったのもその1つ。大学入学当時は今のようなガッチリとした体ではなかった。試合で打たれたことが悔しくて、ウエートトレーニングの強化と、食べる量を増やし、100キロを超える体を作った。それにより球威、球速を増やすことに成功。プロに入ってからは“目からうろこ”。トレーニングや食への意識は先輩たちの方が高く、自分はまだまだと実感。トレーニングコーチの指示のもと、正しい練習方法でさらに体を強化している。