巨人・阿部に続く存在は? 「球界NO1捕手」の称号を引き継ぐのは誰だ
西武・炭谷銀仁朗らも「球界NO1捕手」候補
しかも、オリックスは開幕から僅差での敗戦が多かった。これこそが伊藤にとっては大きいという。
「1点差だったら、バッテリー間で何とかすればその1点は防げたところがあるかもしれない。そういうのが勉強になってくる。大量失点で負けてばかりになると、頭よりも心が折れちゃうんですよ。心が先に折れてしまったら、そこから先に進んでいくものがなくなってしまう。心が折れないで、しかも失敗の体験。それがすごく大事なんです。
野村さんが常々言っていたのは『バッテリーで頑張って失点を0に抑えれば、いつまでたっても負けることはない』ということです。勝てなくても、負けることはない。その通りじゃないですか。そういうところを目指していくには、今回の伊藤くんの経験はすごくいいと思います」
開幕前にソフトバンクと並ぶ優勝候補に挙げられていたチームは、ここから逆襲できるのか。その鍵を握るのは、球界トップクラスへの捕手へと着実に成長を続けている伊藤になるかもしれない。
野口氏はその他の「球界NO1捕手」候補として、西武の炭谷銀仁朗の名前も挙げる。「守りは大丈夫」としつつも「彼が打率2割6、7分くらいまでくれば、例えば森(友哉)君と正捕手争いという話も出てこなかったと思うんです」と打撃面に課題があるとした。
また、DeNAでの選手時代に後輩だった黒羽根利規については「まだまだ足りないですけど、だいぶ良くなってきたと思います」と評価。阪神の梅野隆太郎にも「OBとして、成長してほしいですよね」と期待した。
さらに、8年ぶりに日本球界に復帰した黒田博樹とバッテリーを組んでいる広島の會澤翼については「梅野と同じで攻撃型なので、勉強することだらけでしょう。その中でも、梅野より少し落ち着いてやってるかなっていう気はします」と指摘。黒田とコンビを組むことで大きな成長も期待できるという。
阿部に続く存在は誰になるのか。今年は次の「球界NO1捕手」を巡る争いに注目してプロ野球を追いかけてみると、さらに楽しむことができそうだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count