「3割40本100打点」も現実味 筒香覚醒の裏にあった松井秀喜の言葉

松井氏のような筒香の打球音「『カーン』ではなく『バキッ』」

 では、同じ左打ちの偉大なバッターから、筒香は何を教わったのか。

「『(ボールを)引っ張りこんで、ポイントを近くして、軸で回転して打つ』。松井秀喜のバッティング理論が筒香くんにはピッタリ合ってるんです。あれだけ実績を残した人にそうやって言われたら、それは『よし』となりますよね。

 ただ、それが合ったのは、振る力、ミートするセンス、力ありきの柔軟性を筒香君が持っていたからでしょうね。普通の打者では出来ないですよ。彼の打球音は何かを壊しているような感じ。『カーン』ではなく『バキッ』という。バットが折れたのかなというような。それ(でボール)が飛んで行くんです」

 まさに松井氏の現役時代のような打球音、そして飛距離が、今年の筒香にはある。そして、仮に打撃が崩れるようなことがあっても、すぐ近くにそれを修正してくれる人物がいる。

「万が一(形が)崩れたとしても、大村コーチが言ってくれる。松井君に教わったことを大村コーチも一緒に聞いていてくれたらしいので、ずれてきた時に修正してくれる人が1人いる。そうなった時の気持ちは楽ですし、心強いですよね。今の時代は映像も簡単に手に入るので、見ながら自分の目でも確認できます。安心感と信念をもってやっているので、ただ一過性で調子が良くて打っているだけではないと思いますよ」

 今年の筒香には「3割、40本、100打点」も見えてくると、野口氏は太鼓判を押す。「一番、難しいのは100打点。これは1人では出来ないことなので。前に走者がいないといけない。伸びてくれればいいですね」。ただ、ここまで1~3番も絶好調だけに、期待は膨らむ。

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