開幕直後の不安を一蹴 SB「新4番」内川聖一はいかにして復調したのか
21日時点でリーグ2位の18打点、右打者として初となる8年連続3割の偉業もかかる
この日を終えて、18打点は、ロッテのクルーズに次ぐ2位。ここ10試合でソフトバンクは6勝をあげているが、この内半分の3試合で内川が決勝打を放っており、4番の仕事をキッチリと果たしているといっていい。
開幕から新4番として臨んだ今季。開幕当初は苦しんでいた。開幕のロッテ戦(ヤフオクD)でいきなり2つの併殺打を食らうと、7試合で6併殺打。シーズンを通して5併殺打だった昨季の数字を、早々と越えてしまった。
「(シーズンが)スタートしたときは、強引になっていた」
4番という役割が、ヒットメーカーとしての打撃を狂わせていた。走者がいない場面で1発を求めたり、チャンスで4番としての結果を求めるあまりに、「らしさ」が消えていた。
4番として試合を重ねるにつれ、本来の打撃を取り戻してきた。14日の試合後には「力強く打たなくていい状況だったから良かった」と振り返っている。求められるのは、決して1発ではない。内川本来のバットコントロールで走者を返し、時に走者を進めてチャンスを拡大することが求められる役割である。
「ここにきて、落ち着いてきたかなと思います」
こう手応えを口にしたのは、15日の試合後だ。開幕当初は不安も感じさせた新4番。今季は右打者として初となる8年連続3割の偉業もかかる。ここにきて7試合連続安打、打率も3割1分を越えたところで推移している。もう、大丈夫だ。「4番内川」に心配はいらない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count