青木宣親、最強左腕カーショーから3年ぶりヒット 牽制に「忍者」帰塁も
「こういう強いチームに勝つことができればもっと流れに乗っていける」
その後、青木は塁上でも魅せる。3球目の後、スタートを切ろうとしたところで逆を突かれ、牽制で刺されそうになる。タイミングは完全にアウトだったが、青木はライト側に体をよじらせながら一塁手のタッチを交わし、なんとかセーフ。本塁突入で捕手のタッチを巧みに交わし、米メディアから「忍者」と表現されたこともあるイチローを思わせるトリッキーな動きだった。
これにドジャースのマッティングリー監督は猛抗議。ベースラインから3フィート(約91.4センチ)以上離れたとの見方もできたが、明らかに上半身は範囲内に残っており、審判団も協議した結果、セーフの判定を確定させた。青木はその後、盗塁失敗で「三振ゲッツー」となった。
ジャイアンツは7回にバムガーナーが同点2ランを浴び、試合は振り出しに戻る。青木は8回の第4打席では大きなライトフライに倒れた。
しかし、2-2で迎えた9回、ジャイアンツは1死満塁の好機を作ると、パニクがサヨナラ犠飛。エース同士の投げ合いとなった一戦を最後はサヨナラで制した。
試合後、テレビインタビューに応じた青木は「本当に息の詰まるような接戦だったし、モノに出来てよかった。ホームでサヨナラ勝ちするというのは、ファンを味方にしてプレー出来てうれしく思う。うちはバムガーナーで、相手もカーショーだったけど、エース対決で何とか勝ちたかった」とサヨナラ勝ちに声を弾ませた。
先制の遊ゴロについては「最悪でも内野ゴロで1点入るので、強引に打ちにいった。ポップフライだけ打たないようにした」と納得の表情。また、カーショーからの3年ぶりのヒットは「運良くヒットになってくれた」と振り返った。
「こういう強いチームに勝つことができればもっともっと流れに乗っていける。毎日必死にやりたい」
4打数1安打ながら、打率3割3分8厘と好調をキープ。6回表にはレフトライナーに飛び込んで好捕するなど、存在感を見せた。開幕から調子に乗れなかったジャイアンツだが、勢いが出てきた。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count