「らしさ」戻りつつある中日・吉見 “負けないエース” が見せた真骨頂とは
ピンチで見せた“負けないエース”の武器、輝きを取り戻す日も近い?
ただ、吉見の武器は制球力だけではない。プロ通算154登板で73勝32敗。6割9分5厘を誇る高い勝率の裏には、試合の流れを読む力と、それを実行する力がある。同点や僅差の場面に限らず、「ここで失点すれば、相手に流れがいく」と感じれば、ギアが一段上がる。
1日の登板でも、1―1の7回に先頭・石川の二塁打から1死三塁とされたが、3番・梶谷、4番・筒香を2者連続の空振り三振。無失点で踏ん張り、8回の味方打線の勝ち越しにつなげた。2008年から5年連続で2ケタ勝利を挙げ、逆に2ケタ黒星はキャリアで1度もない”負けないエース”の真骨頂だった。
初戦から2度の先発は翌日に出場選手登録を抹消。中10日での登板が続き、3度目から4度目は中7日と間隔が縮まったものの、当面は慎重な起用が続く可能性が高い。2勝0敗、防御率0.33の数字だけで復活と判断するのは早計だが、かつての輝きを取り戻す日は遠くなさそうだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count