残り1カードでトンネルを抜けられるか 94連敗中の東大が克服すべき課題
「1勝へのキーマン」となる2年生サウスポーの存在
しかし、唯一、立ち上がりの2イニングを無失点に抑えた4月18日の早大戦は、どうだったか。
5回まで3回に許したタイムリーのみの1点にしのぐと、早大にも嫌な空気が生まれていた。そして、0-1の6回に4番・楠田創の2点二塁打で逆転に成功。7回に勝ち越しこそ許したが、目下、首位を快走する早大を慌てさせたのだ。
5月9日の立大戦でも可能性を感じさせた。初回に4点、3回に1点を失い、5点のビハインドを負ったが、そこからの反撃には目を見張るものがあった。3回に2番・飯田裕太が2点タイムリー。さらに、7回には4番・楠田が2点タイムリーを放ち、1点差に。今夏の大学日本代表にも選ばれた立大のエース・沢田圭佑を、マウンドから引きずり下ろした。
一打同点の好機こそ生かせなかったが、1点差の惜敗。相手の8安打を上回る10安打を記録し、一線級の投手にも打線が通用することを証明した。
投打がしっかりかみ合いさえすれば、勝機は見えて来る。そこで法大戦で「1勝へのキーマン」となる男がいる。2年生サウスポー・宮台康平だ。
まず、東大投手陣で最も試合を作る能力が高い。4月18日の早大戦でも先発し、チームに流れを読んだのが、宮台である。湘南高時代に全国でも有数の激戦区・神奈川で県大会8強入りした実績は、東大では群を抜いている。