セ・リーグで最も失点がかさむ阪神 課題はどこに?

藤浪も打球処理のサポート次第で防御率、勝利数等を伸ばしていた可能性も

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打球をアウトにする確率が年々下がる阪神

 しかし、少し前の阪神はこれほど打球処理に問題を抱えるチームではなく、2013年はリーグトップの数字を記録していた。それが昨年から下落し、その傾向が今シーズンも続いている。インプレー打球をアウトにする割合が落ち込めば、投手はこれまでと同じパフォーマンスを見せても失点が増えてしまう。投手力と守備力の相乗効果で失点を防いできた阪神の強みは2014年に崩れ、今シーズンはここまでそれが修復できずにいる。

 インプレー打球の処理状況をさらに分解してみる。内野ゴロの処理に関しては2014年に数字を悪化させ、今シーズンも継続して下落。2013年は内野が高い打球処理率を見せてチームを支えていたが、これが完全に失われている。投手は相当苦しいはずだ。今シーズンゴロを多く打たせている藤浪晋太郎などは、打球処理のサポートがもう少しあれば、防御率や勝利数などを伸ばしていた可能性がある。

 2014年の内野ゴロをアウトにした割合の悪化は、遊撃手・鳥谷敬の故障が一因と考えられる。万全の状態なら守備でも貢献が大きい技術のある選手だが、2014年は開幕前に膝の故障が伝えられた。その結果、特に守備におけるパフォーマンスを落としたようだ。報じられている限りだと今シーズンも体調は万全ではないようで、チームの内野ゴロの処理はうまくいっていない。ほかにも一塁手や三塁手も効率的にアウトが獲れていない傾向が見られ、阪神首脳陣にとって内野守備の出来は昨年から続く頭痛の種だろう。

 そこへ持ってきて、阪神は外野フライをアウトにする割合も下落する事態に見舞われ、今シーズンはセ・リーグ平均を割りこんでしまった。

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