セ・リーグで最も失点がかさむ阪神 課題はどこに?

ハンデを背負い続ける阪神、克服できれば上位浮上も可能

 もともと左翼を守るマット・マートンは守備力よりも打力で貢献し、そのマイナスを埋めて余りある外野守備を中堅手の大和らが見せる、というかたちでバランスをとってきた。しかしチームの得点力の低下から打力に欠ける大和を起用し続けるのが難しくなった。

 実際に大和の打撃成績を他球団の中堅手と比較すると差があり、起用し続ければ得点力でさらに他球団に引き離された可能性は高い。中堅手は俊介、伊藤隼太・江越大賀らと出場機会をシェアせざるを得ない状況だが、守備力に秀でた大和を一貫して使えなかったことは、外野フライをアウトにする割合を下げたと推測できる。

 限られたサンプル数ゆえに、ここまでの打球処理割合が阪神の実際の守備力をどの程度表しているのかは定かではない。打球が野手の間に飛びがちだった可能性もある。しかし守備の関与の程度はどうであれ、インプレー打球をアウトにする割合を上げなければ、阪神はハンデを背負い続けることになる。

 投手力はある程度計算できるだけに、平均レベルの打球処理が行われれば、他球団に比べ大幅に失点がかさむ現状は脱せる可能性がある。それを実現しながら必要な得点力を確保するには、現有の野手戦力が攻守でどのくらい貢献できるのか、コンディションを含めてよく見極め、起用する細やかな対応が大事だ。

 セ・リーグはまだどの球団も決め手に欠いている。ここで戦力を精査し再整備を進めれば、阪神はまだペナント争いに踏みとどまれるはずだ。

【了】

DELTA●文 text by DELTA

DELTA プロフィール

DELTA http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える セイバーメトリクス・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『Delta’s Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。最新刊『セイバーメトリクス・リポート4』を3月27日に発売。http://www.deltacreative.jp

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