走らなくても脅威？　巨人・鈴木尚広の足の魅力

鈴木のリードの“極意”と相手選手も恐れるスライディングの威力

　坂本は「尚広さんのおかげでもあると思います」と先輩に感謝。盗塁を阻止するためにはどうしても変化球は投げたくないという心理が働く。鈴木の存在が脅威を与えていた。

　鈴木の登場する場面は同点、1点負けている時など、責任は重大だが、そこでプレッシャーと感じないことが、成功につながっている。

「リードする時は、力を抜いて、ピッチャーをぼんやりと見ますね。足とか、体の一部分を集中して見るということはせず、全体を見ます」

　力が入った状態からだと瞬発力は発揮できないため、リラックスした状態を心がけている。

　スライディングの威力もあり、敵チームの遊撃手からは「ものすごい勢いなのでスライディングが怖い。当たったらケガをしそうです」と恐れられるほどベース到達時のスピードが速い。そうして盗塁を重ねてきた。

　ヒットや本塁が例年より少なくても、巨人が接戦をものにしているのは、鈴木の力も大きい。これからも足で勝利をもぎ取ってくれるだろう。

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フルカウント編集部●文　text by Full-Count