ヤクルト、一時首位もなぜ最下位転落? 連敗脱出で再浮上なるか
連敗で原点を再認識、森岡選手会長は「下を向く必要はない」
「確かに打線も点は取れていないけど、今年は打線が爆発した試合は少ない。少ない点に抑えて勝つのが、今年のパターンだった。4月にはそれができていたわけだから、(5月15日からの)巨人戦に入る前に、構えやジェスチャーとかも見直して、もう1回意識してやっていこうと中村や西田には話をした。1球1球を積み重ねて、バッテリーが試合を作るんだぞ、と再認識してもらったんだ」
選手も自発的に動いた。同17日の巨人戦前には全体ミーティングの後に、選手だけでのミーティングを開催。音頭を取った森岡選手会長は「下を向く必要はない。原点に戻ろう。この連敗を受け止めて、あの連敗があったからと思えるようなシーズンにしよう」とナインに声を掛けた。
その結果、先発の石山泰稚ら5投手を中村悠平がしっかりリード。巨人の拙攻に助けられた部分も大きいが、2―0というヤクルトらしい戦い方で、3日の広島戦(神宮)以来の勝利を手にした。
若い選手の多いチームは高い代償を払った。それでも9連敗を喫したことで、1つ1つのプレー、1球1球がどれだけ大事なのか、再確認できたはずだ。三木肇作戦担当兼内野守備走塁コーチは「野球の難しさ、1つ勝つのがどれだけ大変なのか、選手だけでなく、僕ら自身もよく分かった。この連敗をどう生かしていくかだと思う」と前を見据えた。教訓を胸に、ヤクルトは真の強さを手に入れることができるか。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count